第1204話 花咲く娘達は、恋の魔法瓶を手に入れた
明治41年。初めて日本に魔法瓶がドイツから輸入された。魔法瓶そのものが誕生したのは、イギリス人科学者であるデュワーが魔法瓶の原型を発明し、その後ドイツのブルガーが家庭用魔法瓶の商品化に成功したのだ。そして時は少し流れ、1912年。大正元年。ハイカラと呼ばれる若き乙女達がいた時代。乙女達の話題は、もっぱら恋の話だ。お菓子とお茶を楽しみながら素敵な男性達の事を話す。そんな中、ある娘が魔法瓶を見せてきた。それは恋の魔法瓶と呼ばれ、手作りの飲み物を飲ませれば意中の男性と結ばれる。そんな代物らしい。花咲く娘達は、恋の魔法瓶を手に入れた。娘達は、順番に自分達の恋の願いを叶えていく事にした。次から次へと恋は叶っていった。恋の魔法瓶の力に魅了された娘達は、恋の魔法瓶の力は自分達だけの秘密にした。それから時は流れ、令和の時代。恋の魔法瓶が再び発見されたが、ただの汚い古い魔法瓶だと思われ、捨てられてしまった。
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