第959話 クーラーミステリー
暑い……。今年も夏がやってきた。そろそろクーラーの季節だ。私はクーラーのスイッチを入れた。
「さあ快適な涼しい風よ、出てくるんだ」
しかし不思議な事に、涼しい風は全く吹いてこない。
「ど、どういうことだ!?まさか壊れたのか!?」
まだクーラーを買い替えてから二年だ。壊れるのは、いくらなんでも早すぎる。これはミステリーだ。そう、クーラーミステリーだ。
犯人がいるはずだ。犯人は誰だ?
親か飼い猫か?
そうか。飼い猫の豆ちゃんの仕業か。豆ちゃんがクーラーの室内機の上に時々よじ登る。それが原因でクーラーが壊れたのかもしれない。おのれ、豆ちゃん。この大切な時期に仕えないではないか。
ふとリモコンを見た。「冷房」ではなく、「暖房」と表示されていた。
「ふっ……ふふっ……。わかったぞ、真犯人が。真犯人は私だ」
冬場に暖房に切り替えていたままだったから、冷房になっていないだけだった。
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