第953話 狼は弱い

人間を食いたいと思う狼は、赤ずきんちゃんに襲い掛かりましたが、返り討ちに遭いました。

赤ずきんちゃんは、思った以上に強かったのです。ロールプレイングゲームでいうところのレベル100です。


「おらおら。弱いくせに襲ってきてんじゃねえよ」

「すみません。すみません。許してください……」


狼は泣きながら赤ずきんちゃんに謝りました。


「てめえ、この野郎。狼鍋にして食ってやろうか」

「すみません。すみません。許してください。それだけは……勘弁してください……。どうか命だけは助けてください……」


狼は赤ずきんちゃんに蹴られました。


「そ、そんなにお強いとは……思いませんでした。赤ずきんちゃん……」

「ああ?赤ずきんちゃん?赤ずきんさんだろうが」

「すみません。すみません。許してください。赤ずきんさん……」


おとぎ話の赤ずきんちゃんは、本当は狼を返り討ちにするお話なのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る