第936話 短命の呪い

「ふふふっ、末代まで続く素敵なプレゼントをやろう。短命の呪いだ」


私は怪物によって受けた呪いのせいで、二十歳までしか生きられない。江戸時代から続くこの短命の呪いは、現代までずっと続いている。私のおばあちゃんもお母さんも二十歳で亡くなっている。憎き怪物は、大正時代に先祖が討伐したのだと聞く。怪物を倒せばこの呪いも消えていくものだと思われていたが、消える事はなかった。先祖代々、生まれてすぐに自分達は二十歳までしか生きられないという真実を教えられる。だから精一杯生きなきゃダメだと。

令和三年。私は十六歳になった。あと四年。四年で何ができる?いや、何でもできる。私は自分が短い命だと知っているから、悔いを残さないように何だってやってきたんだ。


ただ一つ。この世界の為、私が生まれた意味を残したい。そう思った。だから私は、怪物の残党がいないかどうか日本中を回って旅する事にした。

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