第918話 ショートナイン
ショート。それは二塁と三塁付近で、三遊間から二塁間はもちろん、センター等幅広い守備範囲を守る野球のポジションである。ここに前代未聞の野球部があった。
「お前ら、全員ポジションはショートだ」
「えー!?」
監督である鬼山監督が決めたのは、全員のポジションをショートにすること。監督は全員にショートの守備練習をさせた。来る日も来る日も「お前、ショートで守れ」と、全員を入れ替えながらショートの練習ばかりさせた。
他のポジションの練習は一切させなかった。
そして試合が始まった。ウグイス嬢が読み上げる。
一番 ショート 石田君
二番 ショート 田岡君
三番 ショート 高橋君
・・・
一体どうやって守るんだ?
皆が注目した。だが実は、秘密は投手にあった。投手の投げる球は特殊で、必ずショートに打たされる魔球だったのだ。だから全員がショートに回れば、球は確実にアウトになるという事だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます