第854話 波乱万丈ベルト
温室育ちの僕は、ドラマで見るような波乱万丈な人生に憧れていた。僕は恵まれた環境で育ち、そんな事とは無縁の人生を送ってきた。これからの人生も何事もなく、平穏無事に過ごしていくのだろう。
「お兄さん。人生退屈そうだね」
「えっ?」
「あたしにゃ分かるよ。これ使ってみなさいよ」
手渡されたのはベルトだった。
「何ですか?これ」
「波乱万丈ベルト。これをつけると退屈な人生とはおさらばだよ」
こんなベルトをつけるだけ?
半信半疑ながらも僕は波乱万丈ベルトをつけた。
その帰り道、僕は工事現場から落ちてきた鉄骨の下敷きになって大怪我をした。僕は病院に入院して寝たきりになってしまった。暇だけを持て余した。そこで僕は絵を描き続けた。僕の絵は世界的に評価されるようになった。
”不運の事故から生まれた奇跡のアーティスト”として、知られるようになった。これが僕の波乱万丈な人生の幕開けである。
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