第840話 男女のいざ胡坐
私はイチャイチャしている男女が大嫌いだ。今日はゴミ拾いボランティアに参加している。小学校の体育館に集められ、説明を聞いている。
「足崩しなよ。胡坐かいちゃいなよ」
「えー、足崩すなんて恥ずかしいよ」
「恥ずかしくないよ。その方が楽だろ?」
「そんな。恥ずかしい」
「恥ずかしがってる君も可愛い」
「やだー、恥ずかしい」
イライラする。
私のイライラ度は増してきた。なぜボランティアに来て良い事をして気持ちいい気分になろうとしていたのに、こんなに不快な思いをしなくてはいけないんだ。それもこの隣にいるバカップルのせいだ。
「崩しちゃいなよ」
「えー」
「正座だと疲れるだろ?」
「疲れるけどー」
「君はお行儀良いね」
「そんなことないよー」
どうして私は、男女のいざこざならぬいざ!胡座!の様子を眺めなくてはならないのか。
本当に私は、一体何を見せられているのだ。仕方ないので私も胡坐をかいた。
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