第740話 二足拳銃

世界を見渡せば戦争が続いている。ああ、どうして人は争うのだろう。もしこの世から銃が発明されなければ、こんな事にならなかったのかな。そんな事をふと考える。


――神様。どうか、この世の銃を使いものにならないようにしてください。


私は神に祈った。

そして神は、私の願いを聞いてくれたのかイタズラをした。


とある戦場でその現象は、初めて確認された。


「しょ、将軍!!大変です!!」

「どうした?」

「銃に足が二本生えて勝手に歩いてどこかへ行ってしまいました」

「何をバカな事を……」


その瞬間、将軍の持つAKー47アサルトライフルにも足が生えて、どこかへ歩いていってしまった。


「お、おい!!待て!!どこに行く!!」


銃は意思を持つようになった。決して争いに屈する事のない平和を愛する心を持った銃は、誰にも見つからない土地を目指して歩いていった。


これが二足拳銃の始まりである。

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