第715話 他力本願寺の住職
私は最近、何かと話題のパワースポットである他力本願寺に行く事にした。中は風情があり、まさに歴史ある寺という感じだった。
「あのう……すみません」
「何か御用ですか?」
「ここで住職さんから有難い説法を聞けると聞いて来たんですけど」
「はい、私が住職の小野寺です。どうぞ、こちらへ」
案内されて畳の部屋に通される。座布団の上に正座すると、お茶とお菓子を用意してくれた。
「人は一人では生きていけません。時々いませんか?強く一人で生きていこうなんていう方。それはできないんですよ。だって人間、生まれた時には親が世話をしてくれる。死んだ後は、誰かがお葬式をしてくれる。生まれた瞬間から死んだ後も誰かが世話してくれるものなんですよ、人というものは。だからね、人に甘えちゃいましょう。人と人は助け合って生きていく。それは仏様が決めた道理なのです。他力本願は悪い事じゃないのです」
私は心が楽になった。
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