第713話 赤黒い表紙の本

僕の通う大学の中にある図書館には、様々な学術書がある。その中に呪術と分類された学術書が置いてあるコーナーがある。興味本位で僕は、呪術のコーナーを覗いた。するとそこの隅っこに、赤黒い表紙の本があった。手に取って改めてみると古そうだし、とても不気味な雰囲気をした本だ。僕はこの本について知っている教授を探した。すると一人の社会歴史学部の教授に辿り着いた。


「その本の表紙の色はね、人間の血で出来ているんだよ。中には人を呪い殺す方法が書いてある」

「本当ですか!?」

「試した事はないけどね。まあ迷信だろうけどね」


僕は本を読んで人殺しの呪いの方法を学んだ。松葉に火を点けて呪文を唱える。ゼーメル・アパリーシュ・スミタニル。


試しに先生を呪い殺そうとした。する本当に先生は、次の日に交通事故で亡くなった。


まさか……本当に?

僕は鳥肌が立った。


「これで僕にとって邪魔な人間、全て消せる。フフフ」

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