第703話 僕と兄ちゃん
兄ちゃんは不思議な生き物だ。体はドロドロでぷにぷにだし、背も低い。口も効けない。でも兄ちゃんはいつも僕と遊んでくれるし、そんな兄ちゃんが大好きだ。お母さんに聞いたことがある。
「兄ちゃんは、どうして人間じゃないの?本当に僕達は兄弟なの?」
「どんな形をしていてもあなた達は兄弟よ」
そう言われたけど、僕にはよく分からなかった。ある日、兄ちゃんの体の色が緑色から赤色に変わった。お母さんはオドオドしていた。兄ちゃん、きっと体の調子が悪いんだ。そう思った僕は、子供図鑑で調べた熱に効く薬草を山で取ってきて兄ちゃんの口の中に放り込んだ。すると兄ちゃんは、赤色から青色になった。そして……
「ようやく喋れるようになった。なぜ俺がスライムなのか、俺の口からやっと説明できるな」
兄ちゃんは昔、イタズラして禁術の魔法を使ってしまった。だからスライムになった。そして呪いは、大人になったら解けるらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます