第642話 幽霊はいませんでした
事故物件。そこはかつて殺人や自殺があったいわくつきの物件である。
「はぁ……。参ったな。借り手が全く現れないよ」
私は不動産会社に勤める社員だ。まさかうちの所有するマンションの一室で殺人事件があるだなんて……。
私は頭を抱えた。この物件、どうにかして借り手を見つけられないものだろうか。
「あのう、すみません。安い物件ありませんか?」
「ええ。ありますけど。いわゆる事故物件というやつなんですけどね」
もちろん義務だから事故物件である事は説明しなければならない。
「安い!!内見させてもらっていいですか?」
私はお客さんを連れて内見した。その時、私は見てしまったのだ。天井から生首がこっちを見ているのを……。
「うっ!!」
「えっ?どうしたんですか?」
お客さんが不思議そうな目で見てくる。
「幽霊なんているわけないですよね」
「はい!!幽霊なんているわけないですよ!!」
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