第627話 歌詞に憧れた女

今更何を話せばいいんだろう。

大人になった君に再会した僕は、かける言葉が見つからなかった。

君が好きな気持ちは昔からずっと変わらない。

君に出会えてよかったと心の底から思っている。

冬の寒さは、君が隣にいるから凌ぐことが出来るんだ。

また出会えた奇跡は偶然じゃない。


「なんて素敵な歌詞なんだ。私もこんな恋がしたい!!Akiyuって人が書いた歌詞なのね。私もこの歌詞みたいな恋愛したい」


私はこの歌詞の恋愛を再現する為、幼馴染の男の子に連絡した。


「おー、久しぶり。何か用?」

「私の事好きにならない?」

「は?なんで?」

「幼馴染って何かいいでしょ?」

「別に……」

「あのね、良い歌詞の歌があるの。それ聞いたら恋愛したくなるよ」


私は曲を勧めた。彼はそれを聞いて私に言った。


「まさかこの役を俺にやらせようってのか?」

「お願い!!」


彼は文句を言いながら付き合ってくれた。

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