第577話 手相占い
手相を見る時には、左手を見るのがいいそうだ。左手の手相は常に変化していて、現在と未来の運命を見る事ができるのだそうだ。私は<大阪のおかん>と言われた伝説の占い師に、ついに手相を見てもらえる事になった。占いの館に入り、早速見てもらう。
「左手出して」
私はパッと手を出した。
「あー、なるほどねぇ。恋愛運はまずまずだね。あんた素直な子だからね。性格良いし、男にはそんなに苦労したことないタイプだろ。左手の薬指の下、この線が金運線。あんたの場合、ここに縦と横の線がいっぱい入ってる。これは浪費家を表すんだよ。お金の使い方には気を付けな」
「あのう、手相をよくする方法ってないんですか?」
「自分でペンを使って好きな線を手に書く事だね。それやってりゃ、そのうち線が浮き出てくるよ」
私は金運線が欲しい。薬指の下に線を大きくペンで書いた。
そのうち私の手は、ペン跡と欲望にまみれ、真っ黒になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます