第571話 シクラメンの花畑
赤い夕陽が照り付ける時、亮の視界は急に揺らいだ。立ちくらみかと思ったのもつかの間、すぐに意識が遠のいていった。目が覚めると、そこはシクラメンが満開に咲き誇っている花畑だった。シクラメンの花言葉は、「遠慮」。亮は、色鮮やかにあまりにも沢山咲き誇っているシクラメンを見て全く遠慮なんてしていないなと思った。それよりもここは、一体どこなのだろうか。空を見上げる。さっきまで夕方だったはずなのに、空は雲一つない青々した空になっていた。視線を花畑に戻すと、いつの間にかそこには、少女の姿があった。シクラメンの花をしゃがんでみている少女に、亮は話しかけた。
「ここはどこ?」
少女は恥ずかしそうに、もじもじしてこっちを見てはにかんだ。シクラメンの花言葉は「内気」、「はにかみ」という意味もある。この子もシクラメンのような子だなと思った。そして亮が目を開けると、元の夕焼けの空に戻っていた。不思議な感覚だった。
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