第567話 目覚まさない時計

午前6時。ジリリリリリ。

目覚まし時計のアラームが鳴った。


「ううっ……うーんっ……」


派手なアラーム音で起きざるを得ない。身支度をする。学校へ行って帰ってきて寝て、また午前6時にうるさい目覚まし時計に叩き起こされる。そんな毎日だ。

午前6時。ジリリリリリ。


「うるさーーい!!」


私は目覚まし時計を叩きつけた。


「ごめんなさい。明日から静かに起こすからもう乱暴しないで……」

「喋った!?」


次の日になった。午前6時。


「おはよう。ふふっ。君はお寝坊さんだね。もうっ……起きてっ……。ねぇ。起きてってば……」


部屋中に響き渡る甘い声をしたイケメンボイス。


「な、何!?」


私はビックリして飛び起きた。


「優しく起こしたんです」

「いや、それは恥ずかしいわ。やめてよ」

「じゃあもっと寝る?一緒に寝ようか」


そのイケメンボイスに誘われるまま、私はまたベッドに入って眠った。

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