第561話 衝動的彼氏

衝動――。

目的を意識せず、ただ何らかの行動をしようとする心の動きの事である。


私の彼氏は、衝動的な生き物だ。もう慣れてしまった。彼が衝動的な事をしてももう動じない。……いや、そんな事はなかった。


「公園デートしないか?」

「いいよ」


彼と公園デートをする事になった。のんびりとした昼間の公園で、私が作ったお弁当を食べて、どうでもいいお喋りをしながらのんびりと過ごす。そんなデートもまた楽しいものだ。


お弁当を食べた後、ベンチに座って二人して喋っていた。すると彼の頭に紙飛行機が飛んできてぶつかった。


「紙飛行機だ」

「ほんとだ。子供が作ったのかな?」


しばらく待っていたが誰も取りに来ない。すると彼は、立ち上がり、紙飛行機を持って滑り台に登り、そこから紙飛行機を飛ばした。そして言った。


「紙飛行機が飛んで来たら飛ばすしかない」


それから私と話さず、ひたすら紙飛行機を飛ばしていた。

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