第535話 トランシーバー

誕生日プレゼントに貰ったのは、トランシーバーの玩具だった。玩具といってもちゃんと通信ができるものだ。

僕は友達に一台渡して通信して遊んだ。なんだかスパイごっこをしているみたいで楽しかった。

ある日の夜中の事だった。


「――聞こえますか?誰か応答してください」


僕の部屋に聞こえたのは、誰かからの通信。僕はビックリして応答する。


「はい。聞こえます」

「――よかった!!もうすぐ地球に悪い宇宙人が攻めにやってきます。私と一緒に――地球を救ってください」

「ええ!?た、大変だ!!どうすればいい?」

「――海岸に来てください。そこで――武器を渡し――て」

「よく聞こえない!!応答して!!……くそっ!!海岸へ行くしかない」


僕は家を出て海岸へ向かった。海岸に着くと女の子がいた。


「ありがとう。来てくれて。一緒に世界を救って欲しい」


たったひとつの無線で、僕は地球を守る戦いに巻き込まれた。

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