第532話 密漁昼ごはん

昼休みになった。今日の昼飯は、コンビニにでも行って弁当でも買って済ませるか。


「ねぇ。梶原さん。最近、密かに噂になってる密売昼ごはん買いに行かない?」

「えっ?密売昼ごはん?何それ?」

「なんでもね、表沙汰にできないようなルートから仕入れてる昼ごはんらしいよ」

「たかが昼ごはんに?裏ルート?」

「前から気になってたんだよ。一緒にどう?」


まあ普段はコンビニ弁当だし、たまには違うのもいいか。私は同僚と一緒に密売昼ご飯を買いに行く事にした。


同僚についていくと、随分と裏道に入っていった。


「この細い裏路地のところなんだ」


こんなところで昼ごはん?


「いらっしゃい」

「弁当2人分下さい」

「一人1000円だよ」


ちょっと高かったが、早速会社に帰って弁当を開けた。だが中には、伊勢海老やアワビ、マグロといった豪華な海鮮丼が入っていた。


「ま、まさかこれ……」

「シーッ。声でかいよ」

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