第530話 復讐バス

俺が乗り込んだバスは、なんだか暗くて雰囲気が陰湿な感じのバスだった。ドアが閉まり、バスが発車する。


「次は、山本。山本」


山本ってどこだ?

全く聞いたことのない地名だ。


「この野郎ぉーー!!山本ー!!うわああああああ」


一人の男が狂乱しながら、乗っていた乗客の男をナイフで突き刺した。バスの中は、血だらけになった。


「うわぁあああ」


俺は声をあげた。しかし他の乗客は、誰一人声をあげない。俺の声だけがバス内に響き渡る。


「あー、スッキリした。運転手さん。死体はここに置いておくのでいいんだよな?」

「はい。そのままで結構です」


な、何を言ってるんだ!?狂ってる……。人が死んでるんだぞ!?


「次は、大久保。大久保」

「死ねえー!!大久保!!」


今度は、男がロープで男の首を絞めて殺した。


そうか。このバス……。殺したい人間と一緒に乗ると殺せるって噂の都市伝説の復讐バスか!?

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