Akiyu短編集～千物語～

第529話 セーブデータ

ゲーム大好きな私は、魔王に支配された世界を救うために勇者となって冒険の旅に出るゲームにハマッた。旅は順調に進んだ。しかしその途中、魔王の側近である四天王のうちの一人が強くて倒せなかった。私は四天王を倒す為、雑魚モンスターを倒してコツコツとレベルを上げた。準備万端。明日は四天王に挑むぞ。そこでゲームをセーブした。

それから三日が経過した。私はその間、修学旅行だった。家に帰ってきた私は、四天王に挑もうとした。

「……あれ？なんで！？どうして！？」

「どうしたの。お姉ちゃん」

「四天王が全員、倒されてる！！ってかここどこの街よ！！」

「廃墟の街アークだよ」

「ってかあんた、なんで知ってるのよ」

「俺がそこまでクリアしたから」

「私のゲーム勝手にやったのー！？」

「うん」

セーブデータは、ラスボス直前でセーブされていた。私の冒険は、あっという間にクライマックスになっていた。