第456話 罪丼
昼休みになった。今日はどこでランチにするか。歩いていると私の目に飛び込んできたのは、変な看板だった。
新メニュー、罪丼始めました。
「なんだ?罪丼って」
好き嫌いはないし、食べ物に関して好奇心旺盛な私は、今まで色々な物を食べてきた。最近話題になってる昆虫食も食べたし、何が出てきても私なら戸惑う事はない。そんな自信があった。
「よしっ。だったら挑戦してやろうじゃないか。罪丼とやらに」
私は店に入った。中に入ると、一見普通の大衆食堂という感じだった。
「いらっしゃい。何にしましょう?」
「罪丼をひとつ」
少し待って出てきたのは、牛丼に生卵がかかったものだった。
「なんだよ。ただの牛丼じゃないか」
一口食べたその瞬間、私の人生の走馬灯が見えた。自分の犯してきた罪が思い浮かんだ。涙が溢れた。
「はい。ハンカチ。これサービスだよ」
店のおばちゃんが黙ってハンカチを渡してくれた。
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