第433話 明日は明日の加勢が来る

明日は明日の風が来る。そんな言葉がある。例え今日がダメだったとしても落ち込む必要はない。明日になれば風向きは、きっと変わるさ。そんな前向きな言葉だ。


しかしこの言葉。

本当は、少し違うのかもしれない。


本当は――


明日は明日の加勢が来る。である。

加勢とは、助けが来る事だ。

そう、明日になれば援軍がやってくるのだ。


かつての戦国時代、ある所とある所で戦が起きた。その時の兵士達は、こう言った。


「やばいよ、やばいよ。負けそうだよ。負けちゃうよ」


まるで現代のリアクション芸人のようである。


「いや、今日持ちこたえたらなんとかなるよ。頑張ろうよ。ほら、よく言うじゃない。明日は明日の加勢が来るって」


「そっか!!そうだよね!!いちいち落ち込んじゃうの、オイラの悪い癖だよね」


大丈夫。明日には加勢がやってきて、風向きが変わるのだ。戦況はこっちに優勢になる。……かもしれない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る