第431話 午前中の男
近所で噂になっている男がいる。朝の4時には起きていて、近所のゴミ拾いをしている。そして私達、主婦がゴミ出しをする時間帯には……
「おはようございます。今日も良い天気ですね」
と元気よく挨拶してくれる好青年だ。そして午前中は、ずっとどこかにジョギングに行っている。昼過ぎに帰ってくると、家に入ったまま一切出てこない。買い物も午前中に済ませている。昼からは一切外に出てこないのだ。そんな彼を私達は、午前中の男と呼んだ。ある時だった。実家から大量のジャガイモが送られてきた。私は近所におすそ分けしたが、それでもまだ余っている。そこで午前中の男にもおすそ分けしようと思い、午後2時頃に家のチャイムを鳴らした。
「野田です。実家からジャガイモを沢山送ってもらって。良かったらどうですか?」
「すみません。手が離せないんです。明日の午前中にお願いします」
彼は一体、毎日家の中で何をしているのだろうか。
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