第430話 ツーリング
子供の頃、親父のバイクの後ろに乗せてもらって走った。親父の背中は大きくて、とても格好良い男に見えた。そんな親父に憧れて、俺は子供心ながら大きくなったらバイクの免許を取ろうと思った。そして俺は18歳になり、大型バイクの免許を取る事にした。
「お前、バイクの免許取るのか?」
「ああ」
「なんでバイクの免許取りたいんだ?車はこの間、免許取ったばかりだろう」
「……バイクの免許があると女にモテるからだよ」
本当は親父に憧れていたからだとは、照れ臭くて言えなかった。だからそれっぽい嘘をついた。すると親父は
「そうか」
と一言だけ言った。
それから俺は、無事にバイクの免許を取った。新しいバイクも買った。バイクに乗るのは楽しかった。
ある日、親父が部屋に入って来た。
「明日ツーリング行くか?」
俺は親父と二人でツーリングに行った。今度は、自分でバイクを運転しながら前を走る親父の背中を見ている。
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