第402話 人間観察

あそこにいる女の子は、彼氏か友達と待ち合わせかな?

誰かを待っているように見える。しかしそこに現れたのは、冴えないおじさんだった。

「えっ……。何よ、あの組み合わせ。これは、思ったよりも闇が深いかもしれないわね」

私は気づかれないように、二人の後をつけた。これよ、これ。この非日常感。お金もかからずにこんなにドキドキする事が出来るなんて、これだから人間観察ってやめられないのよ。二人は買い物をした。そしておじさんがお金を払ってバッグを買ってあげた。女の子は笑顔だ。私は二人の会話が聞こえる距離まで近づいた。


「パパ、ありがとう」

「いいさ。お前と会えるのも月に一度だからな。会える時には、好きな物を買ってやるさ。でもママには内緒だぞ」



話の内容から、どうやら離婚して離れて暮らす彼女の父親だと分かった。

なんだ、もっと闇が深いのかと思ったのに。

私は飽きたので、次の人間観察を始めるのだった。

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