第358話 セクシータクシー

週末、色々な店にぶらり一人飲みに行くのが俺の楽しみだ。今日はお気に入りの居酒屋へと足を運んだ。カウンター席に座り、飲んでいると隣に俺と同年代くらいの男が座った。スーツ姿だ。


「仕事帰りかい?」

「ああ、そうなんだ」

「この居酒屋は、安いし美味いよな」

「そうだなー」


俺は隣の男と意気投合し、話していた。


「そういえばセクシータクシーって都市伝説知ってる?」

「セクシータクシー?なんだそりゃ」

「凄く色っぽいセクシーなお姉ちゃんが運転するタクシーさ。会ってみたいよな」

「ははっ、そんなのいるわけねぇよ」


その日、俺は三軒の店で飲み歩き、帰りにタクシーを拾った。


「どちらまでぇ~?」

「大蔵町まで」

「出発しまぁ~す」


随分と色っぽい喋り方をする女だ。まさか都市伝説のセクシータクシーか!?


「右へ曲がりまぁ~す」


そんな事いちいち言わなくても…。

彼女の運転は、セクシーだった。

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