第353話 夢ールマガジン

一人会社に残り、深夜まで残業をしていた。顧客にメールを送信して仕事が終わった。


「んっー!!やっと終わったぁー!!」


ピロンッ!!メール受信音がした。


「残業お疲れ様です。夢ールマガジンです。頑張った自分へのご褒美に素敵な夢を見ませんか?……何これ?」


どうせ疲れて眠るのならば、良い夢を見たいですよね。当社は夢を売る世界初の企業です。どんな夢を見たいですか?宝くじが当たる夢、イケメンに囲まれる夢その他どんな夢でも叶います。夢―ルマガジンからお申込み頂くと、特別価格で一夜につき千円でご提供させて頂いております。良い夢を見ませんか?


私は残業が終わったハイテンションもあり、ノリで夢ールマガジンに申し込んでしまった。アルプスの草原を駆け回る癒しの夢を希望した。そして私は、その夜、希望通りの夢を見た。私は夢ールマガジンにハマり、毎月30日分、3万円を支払って好きな夢を見て過ごしている。

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