第336話 宅配便

家のチャイムが鳴った。私は、玄関を開ける。


「宅配便です。お届け物です。印鑑をお願いします」

「はい」


私は印鑑を押した。そして黒い箱を受け取った。


「ここだけの話なんですけどね、これの中身、凄いらしいですよ」

「えっ?凄いって?」

「何でも聞いた話によると、これと同じ黒い箱を開けた男性が、ショック死したとか。だから気を付けてくださいね」

「ええ……」

「では、またのご利用お待ちしております」


送り主の欄は空白だった。一体誰が何の為に何を送ってきたのか。私は勇気を出して箱を開けた。

すると中から白い煙が出てきた。


「ごほっ……ごほっ……。な、何これ……煙……!?」


そして鏡に映った自分の顔を見て、私は絶句した。お婆さんになっていたからだ。


これはまるで……!!


そうか。送り主が分かったぞ。

竜宮城だな?

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