第325話 先輩の隠し事

新入社員の俺は、先輩の車の助手席に乗って営業先を回っていた。ピロンッと音がした。先輩のスマホの通知音だ。チラリと横目で見ると……

「あかりちゃん」と表示されていた。


「先輩、彼女いるんですか?」

俺はニヤニヤしながら聞いた。


「いないよ。俺、彼女なんてしばらくいない」

「じゃあ、そのあかりちゃんって誰ですか?」

「えっ……まあ……それは……」


またピロンッと音が鳴った。あかりちゃんからだ。


「今夜、店で渡すわ。頼まれてた物届いたの」


とメッセージが表示された。


俺は先輩の仕事終わり、こっそり後をつけてみた。すると回りをキョロキョロ見渡した後、先輩は店に入っていった。そこは女装バーだった。


俺も店に入った。


「いらっしゃぁ~い。……って!!お前なんでここにいるんだよ!!」


先輩は女装バーの店員として働いていて副業をしていた。これが先輩の隠し事だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る