第313話 卒業文集

部屋の掃除をしていると出てきたのは、小学校の卒業文集だった。懐かしくなって思わず手に取る。俺、どんな事書いたっけ?


将来の夢。僕は将来、医者になりたいです。友達の高田君は、特発性血小板

減少性紫斑病という難病で入院しています。僕はこれから沢山勉強して医者になりたいと思います。


俺は自分が書いた卒業文集を見て涙を流した。


「俺は今まで何を遊んでたんだ!!高田、ごめん。俺、医者なんてどうせ無理だってあきらめてた。やるよ、俺。頑張って勉強する」


俺は猛勉強した。高二だった俺は、受験までの間、必死に勉強した。そして医学部に合格した。医学部を卒業し、俺は医者になった。だが間に合わなかった。高田は死んだ。高田のお母さんから高田が生前書いたという手紙を受け取った。


先に天国で待ってる。お前は多くの人を救ってから来い。


天国に行くには、沢山得を積まなきゃいけないな。


「ふっ」


俺は笑った。

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