第261話 ミスタークリンチ

日本ボクシングライト級タイトルマッチの試合が決定した。対戦するのは、超絶爆裂パンチの異名を誇るインファイター、大石和弘19歳。現在のライト級日本チャンピオンである。挑戦者は、ミスタークリンチというリングネームの21歳。12戦12勝0敗内KOなしという謎の戦績を持つファイターだ。

チャンピオンの大石は、ミスタークリンチを甘く見ていた。なぜならKOなしという成績であるからだ。驚異的な破壊力を持つ大石にとっては、自分の距離である接近戦に持ち込めば一撃で仕留める事ができる。そう思っていた。誰もが大石がタイトル防衛に成功する。そう思っていた。

しかし試合が始まると予想外の事が起きた。ミスタークリンチは、ジャブを数回当ててひたすらクリンチを繰り返した。そして判定勝ちした。そう、ミスタークリンチは、ポイントを稼いでひたすらクリンチに徹して判定勝ちに持ち込んでここまで勝ち上がってきた最強のクリンチ使いだった。

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