第258話 太ったお姫様

最近、お城の料理が美味しすぎる。どうやらシェフが変わったらしい。鏡で顔を見た時にふと思った。


「やだ…‥。太った気がする……」


恐る恐る体重計に乗る。ショックのあまり言葉が出てこなかった。人はショックを受けると声が出なくなる。どうしよう。ドレスもサイズが合わなくなった。それに今度、王級でのパーティーで王子様との踊る事になっているのに、こんな体ではまずいわ。私はダイエットを決意した。しかし、お城の料理が美味しすぎる。ダイエットは失敗に終わった。パーティーの日がやってきた。いよいよ王子様と踊る時が来た。王子様は、私を見て言った。


「おお、お姫様。以前よりも美しくなられた」


王子様は、少しぽっちゃりな女性が好みだった。ダイエットしなくても王子様のハートを射止める事ができた。


……こ、これは!!

け、計画どおりなんだからっ!!


私は太った事を正当化して、今日も美味しい料理を食べる。

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