第216話 白銀の蝶と黄金の奇術師
黄金の奇術師ミルスの今日の公演は、たった一人の少女の為に行われた。少女の名前は、アンナ。白血病で入院している少女である。彼女は抗がん剤の影響で、髪の毛が抜け落ちていた。
「やぁ、アンナ。今日は君の為にとっておきの魔法を披露しにやってきたんだ。さあこの本を見て」
ミルスは一冊の本を手に持っていた。本のページには、沢山の付箋が貼ってあり、本には、世界中の人達からアンナ宛の応援メッセージが書いてあった。
「凄い!!」
「これはね、魔法の本だよ。さあベランダに出てこの本を開いてごらん」
「うん……」
アンナは、ベランダに出て本を開いた。するとブワッと強風が吹いた。貼っていた付箋は、全て飛ばされ、空に舞った。同時に付箋は、白銀の蝶へと姿を変えて飛んでいった。
「うわぁ!!凄く綺麗!!」
「元気になったらこの蝶を捕まえに行こう」
「うん!」
今日もどこかで白銀の蝶は、世界を回っている。
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