第203話 伝説の勇者とオカリナを吹く姫

「さようなら……」

「姫!!諦めちゃだめだ!!」


伝説の勇者は姫を助ける為、大魔法を使った。大魔法は圧倒的な力と引き換えに、伝説の勇者としての力を全て失うのだ。姫を魔法陣の中から救い出した。しかし魔王は、再び立ち上がった。


「くそっ……。俺にはもう勇者の力はない。ここまでか」


ピュルルルー。

姫がオカリナを吹いた。


「なんだ!?失ったはずの力が……戻ってくる!!」


姫のオカリナの音色が、伝説の勇者の力を蘇らせた。


「行くぞ!!魔王!!お前を倒して世界を救う!!」

「クククッ。やれるものならやってみろ」


最後の戦いが繰り広げられた末、伝説の勇者は魔王を倒した。


「ぐはっ……。お前は姫を助けた事を必ず……後悔するぞ。……その女のオカリナの力は、いずれ世界を滅ぼす力となるのだ。……クククク、さらばだ。あの世で会おう……」


その言葉の意味を……

その時の勇者は分からずにいた。

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