第188話 山児
山のふもとで育った子供を山児と呼ぶ。山児は、12歳になると大人として認められる為に一人前になる為の試験”山歩の試練”を受けなければならない。山歩は、猛吹雪の中、一人で山を登り、道中で動物を狩って頂上まで運んで山頂の小屋を目指すという過酷な試練だ。山頂の小屋には、山長が暮らしており、狩った動物を山長に渡すと”山歩の試練”を乗り越えた証として”山札”を渡される。そして狩った動物を山長が調理し、山児に振舞ってくれる。山児は、山頂の小屋で一夜を明かす。
夜が明けたら”山札”を持って下山する。
これで村から一人前の山の男として認められる。
これが古くからの伝統である。
かつてより山児は少なくなっていた。
多くの者が職を求め、田舎を離れて都会へと移っていったからだ。この伝統も、もうすぐ終わってしまう。問題だ。伝統を終わらせるわけにはいかない。山の男がいなくなると、山での遭難事故が増えるからだ。
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