第149話 一人多い

小学校時代の5年3組の同窓会に出席する為、俺は家を出て同総会が開催されるホテルへと向かった。ホテルに着いて受付を済ませて中に入ると、俺はすぐに声をかけられた。


「山田!久しぶり」

「溝口か。元気そうだな」


俺は小学校時代、仲の良かった溝口と話していた。

ふと何やら人が沢山集まっている中心に一人の男がいた。


「なぁ、アイツ誰だ?」

「田口だよ」

「田口?……うーん、そんな奴いたっけ?」

「やっぱお前もか。俺もよくわからねぇんだよ」

「わからないってどういう事だよ」

「5-3は30人のクラスだったよな。でもあいつは31人目のクラスメイトなんだよ」

「……えっ?」

「昔、佐藤と西村が大喧嘩した時に、取っ組み合いに巻き込まれた森が転んで頭から血を流した事件あっただろ?ああいうのも全部知ってるんだよ。不気味だよ。当時の出来事は知ってる。なのに皆、田口なんて知らないって言うんだ」

「あいつ何者だ?」

「さあな……」

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