第143話 ホームレス

人生をやり直せたらどんなにいいだろう。家族に不自由させない為に必死に仕事してきた。家族と過ごす時間がなくなっていき、家庭は崩壊。家族は出て行った。俺はなんて馬鹿な事をしたんだろう。もっと家族と過ごす時間を作ればよかった。金ならある。でも家族と過ごす大切な時間を金で買う事はできない。いつものように会社へ行く。途中にあるコンビニで弁当を買っていく。するとコンビニの入り口でボロボロの服を着て髭は伸びっぱなしの小汚い男が座っていた。近づくと酷く臭う。ホームレスだろうか。なぜか俺は弁当を2つ買い、その男の足元にひとつ置いていた。すると男は言った。

「お前、人生をやり直したいと思ってるんだろ?」

「えっ……」

「時を戻す魔法なんてワシは使えんが、家族を家に呼び戻してやる魔法は使えるぞ。どうする?」

「お願いします」

家族が戻って来た。俺は転職して一番大切な家族との時間を何よりも大切にして頑張っている。

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