第93話 呼び出せるカーテン

俺がこのカーテンの異常性に気が付いたのは、カーテンを買ってすぐの事だった。一人暮らしの俺は、寂しさからネットゲームにのめり込んで友達を作っていた。「前のオフ会楽しかったなぁ。パトリックさん元気かな。あの人愛知だし、そう簡単には会えないけど久しぶりに会いたいな」


部屋で独り言を呟いた。するとカーテンが風でなびいた。そしてそこにはパトリックさんがいた。


「えっ!?パトリックさん!!」

「あれ!?なんで俺ここにいるんだ!?どうなってんだ!?」


それからも俺が会いたい人の名前を呼ぶとカーテンが人を呼び寄せた。

もしかすると死んだ爺ちゃんも呼び出せるのかな?


俺は爺ちゃんの名前をカーテンに向かって呼んだ。すると爺ちゃんが現れた。


「じ、爺ちゃん!」

「悟。元気か?仏壇にチョコレートがお供えしてあるから食べろよ」

「うん。ありがとう」


それからも俺は、たまに爺ちゃんと話をしている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る