第85話 見えるんです
大学生になり、一人暮らしをする事になった俺は、マンションに引っ越した。しかしその部屋には、男が住んでいた。
「あー…ま、まさか…」
そう、俺は見えるんです。この世の者じゃない人が。あちゃ…。物件見学の時は見えなかったのにな。マジかよ。
「今度は若い男か。大学生くらい?」
「そうだよ」
「えっ!?俺が見えるの!?俺の声も聞こえるの!?」
「ああ、そうだよ。昔から霊感が強くてな」
「頼む!!俺の未練を代わりに果たしてくれないか!」
出たよ。出た出た。そういう感じね。なんかやり残したことを代わりにやってくれってんでしょ。もうそういうのありすぎて散々なんだから。
「嫌だよ。俺も暇じゃないんだよ」
「俺の代わりに弁護士として働いてくれ。弁護士になれば食いっぱぐれもなくて儲かるぞ」
その言葉に釣られ、俺は弁護士になった。司法試験は男が教えてくれるから楽勝だった。
俺は霊感弁護士になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます