第63話 白い粉

誰かが俺を陥れようとしている?


犯人がどこの誰なのか分からないが、お前の思い通りになんかさせるか!

殺風景な我が家の庭に何か新しく植物でも植えようと思い立ち、土を掘り起こしていたらジップロックに入った白い粉が出てきた。我が家の庭に覚せい剤が入った袋を埋めて隠した奴がいる。

目的はなんだ?俺を陥れる為か?

それとも我が家の庭を覚せい剤の隠し場所として使い、何者かが後から取りにやってくるのか。

ジップロックを土から拾い、パートから帰ってきた妻に見せた。

「これを庭の土の中で見つけた。……お前の仕業か?」

「ごめんなさい……」

妻は、あっさり白状した。まさか妻が…。

犯人は妻だった。

「これをどうするつもりだ」

「私が使おうとしたの」

「なん……だと?」

「それ肥料なの。パートの帰りにお花の種を買ってきて、庭のその位置に植えようと思っていたの。だから袋のまま埋めておいたの」


体の力が抜けた。

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