第60話 思い出のクレーンゲーム

一回100円。思い出のクレーンゲーム。

そう書かれていたクレーンゲームを見つけた。景品としてディスプレイに入っていたのは、鍵だった。

どうやら鍵を取ったら、横にある扉を開けて景品と交換してくれるタイプの物らしい。でも何が貰えるかは、分からない。僕は、なんとなく思い出のクレーンゲームをやってみる事にした。


僕はクレーンゲームは結構得意だ。狙いを定めてアームを横と奥行きの位置でピタリと止めてボタンを離す。

アームが下降して鍵を掴む。

そのまま取り出し口に落ちて、簡単にカギをゲットした。


早速鍵を扉に差し込んで開けた。


すると頭が真っ白になった。


「さとし、ほらこれ」


小さい頃、おばあちゃんにあやとりを教えてもらったシーンがフラッシュバックしてきた。


どうやらこの鍵は、その人の思い出を蘇らせてくれるクレーンゲームだったのだ。


僕は今でも時々、この思い出のクレーンゲームをやりにくる。

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