第31話 フランスの紙飛行機
隣にフランス人家族が引っ越してきた。フランス人の父と母、僕と歳の近い女の子の三人家族だ。
女の子はとても綺麗な顔立ちをしていて、僕はなんとか彼女と仲良くなりたいと思った。しかし彼女は、日本語がまだ上手くない。「こんにちは」とか簡単な単語を話せる程度だ。
そんな僕は、どうにかして彼女と話したいと思い、フランス語辞書を使って手紙を書いた。手紙には「日本の事で分からない事があったら遠慮なく聞いてね」と書いてそれを紙飛行機にして、僕の部屋から窓が開いた彼女の部屋に向かって飛ばした。
部屋にいた彼女が手紙に気づいた。すると僕の方を見て「ありがとう」と言った。
それから彼女と仲良くなって一年が過ぎた。彼女の両親の都合でまたフランスに戻る事になった。僕は別れるのが辛くて部屋で泣いていた。
フランスから紙飛行機を折った折り目がついた日本語で書いた手紙が送られてきた。「ありがとう」と書いていた。
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