第26話 俺の死因

気が付くと辺りが真っ白な空間に俺は立っていた。


「ここは…どこだ?」

「お前は死んだんだ」

「誰!?」

「私は神だ。お前は死んだ。今から天国に行くか地獄に行くかを決める」

「死んだ……?俺が…?どうして…?」


一体何がどうなっているんだ。俺が死んだ?どうして?

確か俺は、仕事に行って帰ってきて、それから……夕飯を食べて風呂に入って寝たはず。別に何かの事故に遭った訳でもないし、まだ二十代。体は至って健康体。大きな病気を患っていたわけでもない。


もっと詳しく思い出せ。最後に俺は何をした?


そうだ、風呂に入ってなかなか寝付けなかったんだ。それでスマホを操作して、焚火の癒し音を流しながら眠った。うん、間違いない。そのはずだ。


「お前の死因は焼死だ」

「焼死!?」

「お前のスマホのバッテリーが発火して、それが火元となり火事になった。しかしお前は、焚火の音だと勘違いして気づかなかった」

「ほう、それは笑止」

「……………」

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