ぼくの話⑫

その後、理科と社会のテストもやったけど、どちらも点数はやっと2桁を超えたくらいだった。その結果を見て、上田先生とぼくが話し合い勉強の計画を立てた。


1日各教科3ページは必ずドリルやワークを解くこと、その時に分からないことが合ったら上田先生が来た時に聞くこと。


「3ページで、良いんですか?」

「おっ、3ページだと思って甘く見てるな?それが4教科分だから全部で12ページだ。どんどん進めるのは構わないから、出来そうなら進めちゃって。」


それでも12ページだ。いくら習ってないことだとしても、説明のページを見たりすれば解けるだろうし…もしかしたら小学校の内容はあっという間に終わってしまうかもしれない。


「それにね、受験ってマラソンみたいなものだと僕は思ってるから。最初っから飛ばしすぎると後が辛い。」

「マラソン…。」

「そう、マラソン。もし、各教科5ページすることを考えてみて?始めは5ページ出来た!から段々5ページ出来るになって、最後には5ページやらなきゃになって重荷になる。もしやれなかった時に『 前は出来たのに』って責めることもあるからね。だから程々に。」


各教科5ページだと、全部で20ページ…。その量を考えてみると確かに重荷になりそうな気がした。


「なら、3ページ、で。」

「うん。とりあえず3ページにしてみよっか。英語とかもやっていくからそのつもりでね。」


いつだったか、ドラマで受験ものを見た気がする。登場人物達はテストの点数で一喜一憂し、悩み、遅くまで勉強をしていた。テレビの中の世界にぼくは今から入っていくんだ。あの時、虚ろな目で見続けた液晶の中の世界。それを、今度はぼくが主人公になってストーリーを刻んでいくんだ。




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