第478話 latte

理沙は「貨車の連結って難しいから」と、笑顔で。


友里恵「でっかいし」



理沙「そうそう。重いし。力の加減が難しいから

機関車で押してって連結って、結構大変で。



すー・・・・って。


がちゃん。


最初は出来なくて、古い貨車で練習するのね。」



愛紗は「そういう試験があるのですか?」




理沙「あるわ」




「ちょっとダメかも」と、愛紗は笑った。



菜由は、自然な表情をしている愛紗に安心して。


以前なら、緊張、失敗できない、どうにかして・・・なんて

感じだった。



自分から、ダメかも、なんて言う事は無かったから



・・・・そういうとこは、友里恵ちゃんに学んだのかな?

なんて、菜由は思う。



のびのびしている友里恵ちゃんは、全然ダメでも「ダメだー」って

笑っていられる子。


可愛がられて来た子なんだな、って菜由は思う。

自身も、なんとなく失敗を怖れたりするところはあったり。

それは弟の手前、とか・・・

母になにか言われたくないとか・・・そんな気持がどこかにあったり。



友里恵ちゃんは、そういうとこがないから。

いい家族なんだなあ、なんて思う。




こういう、ラウンジで

外から見えるところでご飯を食べるのも、菜由は少しニガテだったりして。



田舎ものだから、かな(^^)。



由香ちゃんも、ぜんぜん平気だし。




友里恵ちゃんが、珈琲を持ってきた。

香り高い、カプチーノ。



真ん中に、ラテが開いてて茶色い凹みがふたつ「ブタさんのお鼻みたい」と

友里恵はにこにこ。



由香は「あーんまり食ってるとブタさんになるぞ」


と、笑う。



友里恵は「♪ふとっちょだーって、かわいいモン♪」と


由香「自分で言うな」



友里恵「ハハハ」


楽しく、のんびり・・朝ごはん。




食べ終えて、ラウンジからロビーに行くと

友里恵は「あ、パティー!」と、手を振った。



パティは、きょうは麻のワンピース、ふわふわの。

若草色。


白い、さらさらの帽子。



にっこり。




菜由は「きてくれたの」



パティは「ハイ。きょうも休みだし」




理沙は「あたしも、きょうはお休み。連休明けにね、里帰りしようかと思って

相談に来たの」



愛紗のことを気遣って、そんな風に言う。



パティは「いいですねー、旅。」



愛紗は「一緒に来たら」と、軽く。にっこり。



パティは、青い瞳でプラネタリウムをお空を見て。ブロンドの長い髪、ふわふわ。


「行けたらいいですね。でも仕事があるから」



友里恵「今日は空いてるんでしょ?」


パティ「ハイ」



友里恵「じゃ、あたしたちと夕方

「富士」で途中まで。

旅の気持を味わって(^^)。」



由香「気持だけね」




理沙「いいね。乗務員だから、途中までだったら・・・大丈夫かな?

見学ってことにすれば(^^)」



ロビー・カー、ワゴンサービスもしている。

食堂車もある。


関係がないこともない。




パティ「そですね。中津あたりまでなら、帰りも遅くならないし」


と、にっこり。




由香「メーワクじゃないか?、友里恵の発想」



パティは、かぶりを振って、にっこり「楽しいです。」




理沙は「明日の乗務、何時から?」



と、気にするところは乗務員(^^)。



パティは「Bだと思ったから・・・10時くらいじゃないですか?

後で聞いてみます」



ふつう、明けー公休ーの後はAは入らないので。

超過勤務の調整で2公休になるので。




そんな風に、乗務時間を気にする辺りは

バス・ドライバーと一緒、と愛紗は思う。

休日も、そんな風に仕事の時間を気にするのは

ちょっとつまらないかな、と思ったこともある。


でも、パティも理沙も平気だから。


愛紗は、自身がすこしセンシティヴだったのかな、と思う。


鉄道の仕事が好きなら、仕事のことを思っても嫌にはならない・・・・のだろうけど。



国鉄の仕事は、バスの仕事ほど・・・・長時間勤務に追われないとこ、も

あるのかな、とも思う。


寝る時間が無くて、昼も眠い、なんてコトだと

やっぱり嫌になるかもしれないし。



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