第406話 5621D,立野、到着!定時!

足もとはアスファルトで覆われていて、道路のすぐそば。

あまりにも普通にそこにある滝。


とうもろこしを焼いてる屋台の、香ばしさとか。



「あー、食べたくなってきた」と友里恵が言うので



由香は「トイレはどうした?」



友里恵は「ア!忘れてた」



由香「忘れてるくらいなら平気だな」



友里恵「思い出したら出したくなってきた」



由香「きたねーなぁ」



パティは、少し離れてるので聞こえない(笑)。



滝つぼの近くに、トイレがあったりして

観光地になってる滝。




友里恵は「はー。さっぱり爽快。出た出た」


由香「恥じらいを忘れたら終りだよ、女は」



友里恵「ハハハ」



由香「笑ってごまかすな」



友里恵「この滝、打たれたくなるねー。なんまんだぶ、なんまんだ」と

両手を合わせて。



由香「打たれて来い」




友里恵「セクシー、透けちゃうじゃん」



由香「あんまり女がやってるの、見たこと無いなそういえば」




パティ「滝の裏側に行けますよ」




友里恵「よし!行ってみよー」と、ひとりでとことこ。


「ひゃー、しぶきがかかるー、顔面シャワー」



由香「誤解を招く表現はヤメレ」


パティは「どういう誤解なのですか?」



由香「あ、いえいえ、神奈川県の方言」



パティは「ふーん・・・・?」




友里恵は、しぶきにまみれて「霧ーのなかーからー♪」とか歌いながら


アイアンしょーっく!


なんて叫んでいる。



由香は呆れたように「明るいやっちゃなぁ」



パティはにこにこ「ホント。明るいねー友里恵」



由香は笑顔で「ま、それだけはとりえだな」と。




友里恵が滝つぼの向こうに居るときに写真を撮ってあげたり。



パティは、風に吹かれて「来て良かったですね」



由香は、頷いて「うん。いつ来れるか解らないし、あたしら」



友里恵は、半分濡れながら「濡れたお姉さん」なんて、笑って。



由香は「ま、それくらいならな」



友里恵「お姉さん濡れちゃったーぁ、なんとかして」




由香「聞きようによってはアレかもな」




パティは、滝の水が流れた先の川を見に行ったり。




涼しい水辺である。








同じ頃・・・・豊肥本線、阿蘇ゆきディーゼルカーに乗った

ららちゃんと、なおなおちゃんは

ゆっくりゆっくり、坂を登っているキハ66のエンジンの音を聞きながら

カーブを・・・がったん、がったん。


そのくらい、ここの坂は急だ。



なおなおちゃんは「そういえば、お姉ちゃんも言ってたっけ。「ナオミ」って

聖書の言葉だって」



ららちゃんは、気が付いたように「わたし・・・それで知ってるのかな?」


なおなおちゃん「そっか(^^)」



ららちゃん「ふふ(^^)。お姉ちゃん、物知りだねー。」



なおなおちゃんは「うん。図書館とか好きだから。司書になりたいなー、なんて

言ってたんだけど」




ららちゃん「支所?役場の?」



なおなおちゃんは笑って「どーして役場になれるのよ」


ららちゃん「ハハ。やっぱそう」



なおなおちゃん「なーんだ、解ってたのか。司書ってね、図書館で働くのに

必要なんだって」



ららちゃん「ふーん・・・それって難しいの?」


なおなおちゃんは、かぶりを振って「しらなーい。短大くらいは行くんじゃない?」



ららちゃんは「どうして国鉄に入ったんだろ」


なおなおちゃんは「さあ・・・向いてないのかな?バレー部だったし。

文系の仕事って」




ららちゃん「ふーん」と、カーブを登る白いディーゼル・カーに揺られながら。



「笹、いっぱいね」




なおなおちゃん「ほんと。草刈するんならパンダちゃん連れて来ればいいね」





ららちゃん「なんか、居そうだよねそのヘンに」




なおなおちゃんは「熊は居そうだけど」




ららちゃんは「なんで熊?」



なおなおちゃん「熊本だもん」




ららちゃん「ハハ」



なおなおちゃんも、笑いながら


キハ66は、立野駅に着く。



♪ぴんぽーん♪



ご乗車ありがとうございます、まもなく、立野です。

お出口は左側、全部のドアーが開きます・・・


と、優しそうなお姉さんの声、アナウンス。






かったん、かったん・・・・・。立野駅が見えてきた。








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