第379話 9001列車、日田、延着5秒!
「3月くらいなら、桜綺麗よ、とても。北山田とか、野矢とか」と、理沙。
愛紗は「来年かなー」なんて、笑顔になる。
・・・来年、どこにいるのかな?なんて思ったりも。
友里恵は「来年も来ようよ」と・・・。違う感覚で、理沙の言葉を受ける。
9001列車の目前に、国道のガードが見える。
日
田
と言う、駅名表示が線路左に。
機関士、理沙は「日田、停車!」と仕業表を確認して。
念のため、である。
終点だとはいえ。
愛紗も「日田、停車!」指差して。
友里恵も「日田、停車!」その、黄色い看板を指差して。
操作盤の懐中時計を理沙は確認。やや遅れだが、まあ、合格だろう。数秒である。
DE10 1205の逆転機を前に。
クラッチがつながり、編成にすこし、エンジンブレーキが掛かる。
客車では洋子が案内放送。
♪ハイケンスのセレナーデ♪
ーーご乗車お疲れ様でした。まもなく、終点、日田です。
どなたさまも、お忘れ物、落し物、ございませんようにお願い致します。
1番線に到着、お出口は左側です・・・
日田彦山線は、お乗換えです・・・・。
久大本線、久留米方面は
地下道をくぐりまして2番線、14時20分、久留米行きですーーー。
と、流れるようにアナウンス。ヴェテランのようでもある。
声は可愛らしいけれど。
トロッコのおじさんたちは「さ、降りるか」と、身支度を始めたり。
客車の菜由と、由香は・・・。
余っていた缶ビールを飲んでいて
「ひっく」
「うぃっと」
柿ぴーなっつを、ぽりぽり。
パティは「あーあ、すっかり酔っ払いだぁ、降りられるかなあ」(^^;
さっきまで、パティがそうだったのだけど(笑)。
機関士、理沙は信号現示確認。
「1番、進行!」
愛紗も、1番の信号ってどれ・・・?と、迷いながら「1番、進行!」
9001列車はポイントを渡る。
場内は停止信号である。
ぢゃーん・・・・と、警報ベルが鳴り
きんこん、きんこん・・・と、ATS警報チャイムが鳴るので
理沙は、伸び上がって左上パネルにある確認ボタンを押す。
編成ブレーキハンドルを、ちょこっと1ノッチ。すぐに解放。
速度が元々低いので・・・。
停止位置確認。
そーっと、そーっと。
逆転機を中間に戻す。
油圧で進んでしまうから。
編成ブレーキを、ふたたび1ノッチ。
停止位置目前で、開放。
空気ブレーキなので、編成の後ろの方は
ブレーキ管圧力が残っているので・・・。
静かに、すっ、と。
後ろから引かれるように、停止位置。
×マークの下に停止。
編成ブレーキを、常用最大位置に。
一瞬置いて、機関車単弁を常用最大位置に。
「停止位置、よし!」
愛紗も「停止位置、よし!」
友里恵も、伸び上がって「停止位置、よし!」
機関士、理沙は「日田、到着。延着、5秒!」
時計を確認する。
まあ、このくらいはいいだろう。
停止位置はぴったりである。
機関士、理沙はブレーキハンドルを全て非常位置にして、停止措置を取った。
時計を外して、仕業表を取って
携行品ケースを持つ。
「さ、降りるよー」
にっこりの理沙である。
愛紗は「はい」と・・・。機関室ドアからランボードに出た。
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