第377話 電機

理沙は信号を確認。「閉塞、進行!」


青である。


愛紗も「閉塞、進行!」


友里恵も、右から。「閉塞、進行!」



豊後三芳駅のホームが、過ぎ去っていく。

20km/hとは行っても、かなりの速さである。





理沙は「3人いると気楽ね」と。


友里恵は「そう、よかったー。」


愛紗は「見間違い、減りますものね」



理沙は、頷き、仕業表確認。「次は、日田、終点!」


愛紗も「次は、日田、終点!」



友里恵も「次は、日田、終点!」



愛紗は理沙に「終点で、どうするんですか?」


理沙「わたし?わたしは折り返しで豊後森まで戻るの。

編成を引っ張って。回送で。

それで豊後森で休憩して、夕方に大分ゆきを引っ張って帰るわ」



愛紗は、日田の町を見てあるこうかな、なんて思っても居た。

機関車にもう少し、乗ってもみたかったけど。



理沙は「ディーゼルでも、電気でもいいの?機関士の仕事」


愛紗は、ふと、言われた言葉に。考える。



「えー・・・・・考えていなかったです。電気機関車は。乗ってみたいと

思うけど・・・・。想像もつかない」



理沙は、ふ、と笑って「そうよね。そうだと思う。私は偶々、運が良かったのね。

蒸気機関車が無くなる時期だったから」



愛紗は「そうなんですか?」



理沙は「そう。普通だと、駅務で数年してから

車掌。そこで数年。

それから運転士だもの。

もし、いきなり技術系に行きたいのなら、貨物を扱っている機関区に行くのも

テかもしれないね。機関助士職、あるもの。


庫内手から、助士。それから機関士。

助士が長いと思うけど・・・。」



愛紗は「電気機関車も、乗ってみたいな」と。素直に。


理沙は笑って「私も乗ってみたいわ。電機は知らないもの」


ふたり、笑う。




豊後三芳からは、割と・・・近郊らしい景色になっては来るけれど

そこは山の中の盆地。


長閑である。



















客車では、洋子が車内アナウンス。


車掌室でオルゴール


♪ハイケンスのセレナーデ♪



ーー皆様、ご乗車ありがとうございます。

次は、終点、日田です。

お出口は左側、2番線に到着ですーーー。





菜由は「はーぁ。着いちゃうのかー。」


由香は「眠いねぇー」



パティは「飲みすぎシール貼りますよ」


由香「なつかしCMだな」


菜由は「パティも飲んでるじゃん」



かたたん、かたたん・・・客車は軽快である。



パティは「わたしは大丈夫です。」



菜由「やっぱ、でっかいからなぁ」(^^;




トロッコのおじさんたちも、ほとんど・・・・酔っ払っている(^^;



文子は、お片づけを始めていたりして。

洋子も、お手伝い。


「そんなでもないね」と、洋子。



文子は「はい。綺麗に終わってよかったです」



空き缶をビニール袋に入れたり。


お菓子のお皿とか、紙のものと

そうでないもの。


分けて。ビニール袋に入れたり。



結構、そんなお仕事も多い。





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