第303話 yesterday once more

「ラブラちゃん呼んでるよー」と、友里絵はとっこことっとこ。


由香は「あ、友里絵ー、これ!、これからごはんだよー」



さかまゆちゃんは「おかあさんみたい」と、にこにこ。


ともちゃんは「かわいいですね、友里絵さん」


パティはにこにこ。


愛紗は「じゃ、ちょっと待っててあげて、わたしは・・・駅前の営業所見てくる」



東山の、由布院営業所が駅前にある。



菜由は「うん。駅にいるから、友里絵が来たら一緒に行くね」



愛紗は、ありがと、と言って。

ひとり、改札の無いオープンラッチの由布院駅から出て、駅前広場を渡り

目の前の由布院営業所へ。

見るのは雰囲気と、バスのダイアだったり。



もう夕方とあって、観光客の姿はほとんど無い。

ツアーから帰って来たお客さんくらい。



路線は、この近辺と近隣の町あたり。

大分・別府ゆきもある。

観光はあるけれど、別みたい。


けっこう大きい営業所だけど、観光がメインのようだ。


阿蘇や博多への高速バスも出ているようで

バスセンターは少し先の、やまなみハイウェイのそばの

A-coopの隣にあるらしい。


車庫は別で、ここは分署のようなところらしい。


きっちりした営業所。

同じ制服がなんとなく、懐かしい。








友里絵は・・・・大きなケージの中にはいって

ラブラちゃんとじゃれていた。


ラブラちゃんは、楽しそうにしっぽを振って。


大きな舌で、友里絵を舐めている


「きゃ、これ!やめてー」



由香は「違うとこ舐めてー」


友里絵は「ここじゃねぇ」



由香「言えてる」駅前だもん(^^)。




パティがとことこ「ばたーいぬ、これですか?」


由香「あ、うそうそ。この子はちがうの」



友里絵は、まだラブラちゃんと遊んでいる。


大きなラブラちゃんで、友里絵より大きいかも。


友里絵は「オスだね。おちんちんおっきいもん」


由香「舐めるか」


友里絵「アイナメかいな」



パティ「あいなめ?なにそれ」



由香「あ、いいの。お魚の名前」(^^;



パティは「ふーん」と、わかったようなわかんないような(^^)。



よしよし、と

ラブラちゃんを撫でている。



さかまゆちゃんと、ともちゃんは

駅の待合室ミュージアム、由布院美術館に似た

絵やモニュメントがあったり。


旅行のパンフレット。「うふふの休日」とか

「駅長おすすめの湯」とか。

「2枚きっぷ」「4枚きっぷ」などなど。


旅行センターみたいな感じ。



そこの隣で、運んでもらった荷物を

チッキと交換した。



「ちょっと高級な感じ」と、ともちゃん。

さかまゆちゃんは「ともちゃん、お似合い」


ともちゃん「そぉ?ぜーんぜん」と、にっこり。


お澄まししてると、フランスふう美人さん。



駅前は、夕方なので

辻馬車のお馬さんが、ぱかぱか・・・帰って行く。


お土産屋さんが並んでいて、ちょっと軽井沢に似ている雰囲気。

でも、のどか。



「いいね、こういう旅行センター勤務、希望しようかな」

と、さかまゆちゃん。


ともちゃん「そうね。でも・・・けっこう辛いかも。隠れるとこないし」


CAだと、けっこう業務室に行ったり、となりの車両との間のデッキとか

車掌室とか。

息つけるところがあるけど。


さかまゆちゃん「そうね。スカートのチャック開いてると怖い」


ともちゃんはきゃはは、と笑った。





菜由は、そんな駅のホールでのんびり。夕方の由布院を見ていた。


目前に、さっきの由布岳。

かなり高い山みたいに見える。




駅前の道は結構狭いので、バスは裏側から入ってきて

一方通行で駅前に出て行く。

ただ、7m車だけなので

運転は楽そうだ、と・・・そんなことも思う。


「愛紗、ここでやっていくのかな?」












まゆまゆちゃんは、人吉車掌区で終着点呼を受けて。


「明日は7時か」少し早い。


6時半には来て居ないと、着替えもあるし。



更衣室があるから、着替えて私服で帰る。



パーカーにコットンのスラックス。スニーカー。



高校生のままみたい。






とことこ歩いて「ただいまー」と家に帰る。


お母さんが「おかえり」と、にこにこ。「疲れたね、お風呂はいる?」



まゆまゆちゃんは「ねーぇ、お母さん」



お母さんは「なに?」



まゆまゆちゃん「お兄ちゃんね、しばらく結婚なんていいって」



お母さんは「ああ、話したんだ。ふーん。ねえ、真由美ちゃん?」


まゆまゆちゃんは「なに?」



「お兄ちゃん好き?」と、お母さん。



まゆまゆちゃん「うん。」と、にこにこ。



お母さんは「でも、いつまでもそのままじゃ、お兄ちゃんもかわいそうよ」



まゆまゆちゃん「そうかな・・・・。」と、少し考える。



自分のお部屋に行って・・・。





「あ、そうだ。」友里絵にメールを送った。


「写真ありがとうございます。」


友里絵のほうが好み、なんて

お兄ちゃんの言葉は、言えなかった(^^)。

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